じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 岡大構内で早くも西洋朝顔が開花していた。宿根性で勝手に繁殖し、放っておくと建物の壁全体に広がる。

2022年6月5日(日)



【連載】チコちゃんに叱られる!「五円玉が金色の理由」と五円玉の雑学

 6月3日に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この回は、
  1. 五円玉が金色なのはなぜ?
  2. なぜ子どもは走り回る?
  3. おかきとせんべいの違いってなに?
  4. 【ひだまりの縁側で…】金魚と仲良くなるには?
という4つの話題が取り上げられた。本日はこのうちの1.について考察する。

 放送では、五円玉(正式には「五円貨幣」)が金色に見えるのは「銃や大砲の弾を溶かして作ったから」と説明された。その経緯は以下のようになっているという。
  1. 五円玉の成分は黄銅である。黄銅は「真鍮(しんちゅう)」とも呼ばれ、管楽器の材料などに使われる。銅に亜鉛を混ぜていくと、銅60%、亜鉛40%の時に最も金色に近くなる。五円玉の成分は、銅70〜60%、亜鉛30〜40%でバラツキがある。
  2. 明治〜大正時代、硬貨の金属材料としては、金、銀、銅、ニッケル、スズ、亜鉛の6種類が使われた。このうち純金1.5gを含む一円金貨は現在の1万円に相当し一般には殆ど流通していなかった。いっぽう庶民が使っていた一銭、半銭、一厘などの「小銭」は主に銅を材料としていた。
  3. 日中戦争が始まった1937年になると、銅は銃や大砲の弾など、ニッケルは戦艦というように兵器の材料として使われるようになり、硬貨の材料としてはアルミニウムが使われるようになった。しかしそのアルミニウムも戦闘機などの材料として使われるようになった。
  4. 1945年には陶器製の硬貨の製造が開始されたが、戦争が終わったため出回ることはなかった。
  5. 戦後、日本軍が使っていた銃や大砲の弾には黄銅が使用されており、その約6000トンが硬貨の材料として払い下げられた。
  6. 1946年には、黄銅を材料とした五十銭銅貨が作られたが、当時の物価の急上昇により、1948年には五円黄銅貨と一円黄銅貨が作られた。しかしこれらは見分けにくかったことから1949年には、材料の節約を兼ねて穴あきの五円硬貨が作られた。
  7. 五円玉には、農業を表す稲、工業を表す歯車、水産業を表す水が刻まれ、戦争からの復興の願いが込められていた。
  8. 五円玉の材料になった銃や大砲の弾の成分は、陸軍や海軍の弾の違いなどで銅と亜鉛の割合にバラツキがあった。このため五円玉の成分にバラツキが出てしまった。バラツキの差は現行の五円玉でもある程度残っている。

 ここからは私の感想・考察になるが、五円玉をネタとしたクイズでは、
  • なぜ穴が空いているのか?
  • どちらが表で、どちらが裏か?
  • 現行貨幣の中で、五円玉だけが違っているのはどこか?
というのがよく取り上げられているように思う。チコちゃんでは敢えてこれを避けて、貨幣の色や成分に注目したところが面白い。このうち、穴が空いている理由については、ウィキペディアでは、
1949年(昭和24年)の改鋳後に製造された五円硬貨の中心に穴が開いているのは、以下の理由による。
  • 1948年(昭和23年)に発行された五円硬貨は、同じ年に発行された一円硬貨と同じく黄銅製であり(一円黄銅貨)、直径も2mmしか違わず(一円硬貨は径20mm、五円硬貨は径22mm)、加えていずれもギザ付きであり、間違われることがあったため。特に視覚障害者にも判別を容易にするため。
  • 材料費の節約という理由。約5%の節約になる。1948年(昭和23年)発行の五円硬貨の量目は4.0gであり、穴あき五円硬貨の量目は3.75gであるから、実際には約6.3%の節約ということになる。
  • 偽造防止のため。
なお、私が子どもの頃には穴の空いていない五円玉や、有孔楷書体(1958年発行終了)の五円玉も多少流通しており、ガラス瓶に入れて貯めていたことがあった。
 上記2.の「どちらが表で、どちらが裏か?」については、法律上は特に明文化されておらず、こちらによれば、あくまで造幣局の作業場の利便性から表裏を定めているという話であった。リンク先にあるように「発行年が描かれている方が裏」というのが正解となる。
 上記2.にも関係しているが、五円玉は唯一、アラビア数字で額面が書かれていない貨幣でありこれが3.の答えになる。漢数字を読めない国の人にとっては、金色かつデザイン的にも優れた五円玉は価値がある貨幣のようにも見えるかもしれない。何十年も前になるが、外国旅行先で五円玉をプレゼントすると喜ばれるという話を聞いたことがあった。もっとも今では、少なくともチップとしては通用しないものと思われる。

 なお、過去日記を検索したところ、上記以外の貨幣ネタとしては以下のようなものがあった。【他にもあったはずだが思い出せない】