【連載】チコちゃんに叱られる! 「赤みそ」と「白みそ」の違い/味噌汁と赤だし
昨日に続いて、4月11日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
- なぜ人間には毛が生えていない?
- なぜ日本人は食事をするとき食器を持ち上げる?
- 【2.から派生】外国人が驚いた!日本では当たり前の文化
- 「赤みそ」と「白みそ」の違いってなに?
という4つの話題のうち最後の4.について考察する。
4.の2種類の味噌の違いについて、放送では、「『赤みそ』は蒸した大豆、『白みそ』はゆでた大豆」であると説明された。味噌などの発酵食品について研究している前橋健二さん(東京農業大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
- 赤みそと白みその違いは、原料となる大豆の調理法の違い。豆自体の違いではない。大豆を
- 一般的な味噌は、米または大麦を蒸したものに麹菌を生やしたみそ麹と、加熱して柔らかくした大豆と塩を混ぜ合わせ、樽や桶など容器に入れて発酵・熟成して作る。この時、大豆を蒸してから潰すと赤みそ、ゆででから潰すと白みそになる。
- 大豆を蒸した時とゆでた時では『メイラード反応』の起こり方が違う。
- メイラード反応とは熱を加えると食べ物が茶色くなる反応のこと。
- 常温でも反応は起こるが、熱があると急激に反応が進む。
- 例えば豚カツの場合、パン粉の中に含まれるアミノ酸と糖が高温の油で熱せられることでメイラード反応が起こるため茶色くなる。
- 大豆を蒸すとその熱で大豆の中に含まれる糖とアミノ酸によりメイラード反応が起こり茶色くなる。→赤みそ
- 大豆をゆでると糖とアミノ酸はお湯に溶け出してしまうため、メイラード反応は殆ど起きない。→白みそ
- みそは熟成の過程でもメイラード反応を起こす。
- 一般的に赤みそは白みそに比べて熟成期間が圧倒的に長い。
- 一般的に赤みそは半年〜1年、長いものでは2年〜3年熟成させる。熟成が長いほど色がどんどん濃くなる。
- いっぽう白みそは熟成期間が1〜2週間と短いのでメイラード反応は殆ど起こらない。
放送ではさらに味噌の歴史について解説された【要約・改変あり】。
- 味噌は平安時代の貴族の食べ物だった。甘いものが貴重だった当時、米麹を使ったほんのり甘い味噌(未醤)は貴族に好まれ平安京で作られていた。
- 当時は白みそ、赤みそは区別されていなかったが、貴族たちが食べていたものは白みそではないかと推測される。
- その伝統が受け継がれ、白みそは現在でも京都や奈良を中心に関西地方で親しまれている。
- 赤みそがいつ誕生したのかは不明だが、戦国時代、武士たちは芋の茎を味噌で煮て乾燥させた保存食を利用していた。長期保存することで常温下でメイラード反応が続くのでどんどん色が濃くなり赤みそになっていったと推測される。
- 三河出身の徳川家康は味噌へのこだわりが強く、三河から江戸に本拠地を移した後も好んで味噌を食べていたため、中部地方から関東地方では『赤みそおでん』や『みそ煮込みうどん』など赤みそ文化が残っているのではないかと言われている。
- 焼いたり揚げたりするとメイラード反応により香ばしい香りが生まれる。味噌の「香り」や「風味」もメイラード反応の起こり具合で変わってくる。
放送ではさらに全国の味噌料理が赤みそ、白みそ別に紹介された。
ここからは私の感想・考察を述べるが、私自身はふだん味噌汁を食べていないので、赤みそ、白みそいずれにもあまり縁がない。健康に良いとは分かっているのだが、妻は滅多に作ってくれないし、自分で作るのは面倒。稀にインスタント食品を利用するだけである。
白みそで記憶に残っているのは、学部4回生で卒論執筆と院入試のため下宿で年を越した時、大家さんがお雑煮を作ってくれたことである。東京生まれ・育ちの私にとってはお雑煮と言えばすまし汁に角餅、ミツバ、エビなどが入っているものを思い浮かべるところだが、京都で出されたお雑煮は白みそ仕立てに丸餅で東京の雑煮とは煮ても似つかないものであった。
あと、京都に住み始めてから初めて耳にした言葉として『赤だし』があった。関西では、赤みそを使った味噌汁のことを『赤だし』と呼ぶのかと思っていたが、今回ウィキペディアを閲覧したところでは、
元々は「味噌に鰹節を混ぜて摺り合わせたものを煮立てて、それを漉しただし汁を使ってナメコ汁などに仕立てる」という料理あるいはその手順をいったものであった。八丁味噌などの豆味噌に米味噌を合わせたものを呼ぶこともあり、そこから転じて豆味噌をベースに米味噌、調味料(昆布や鰹節の出汁など)を配合した調合味噌も「赤だし」あるいは「赤だし味噌」と呼び、東海地方を主な産地とする。
と解説されており、関西由来ではないことを初めて知った。
外食の機会があまりないので記憶が不確かだが、確か回転寿司屋とか丼物屋では、『味噌汁』ではなく『赤だし』と呼ばれていたのではないかと思いザッと検索したところ、必ずしも『赤だし』ではないことが分かった。なおこちらによれば、
●スシローで味噌汁を注文すると、関東は通常の味噌汁なのに対し、関西は赤だしの味噌汁が出てくるのだ。
となっており、その理由については、
スシロー広報都丸さん「関東と関西で味噌汁が違うのは、以前開催された蟹フェアに起因します。蟹の赤だしを販売しようと商品開発していたんですが、赤だしだと蟹の身の色が変わってしまうため、味噌汁に蟹を入れたんですね。そうしたら、関東で味噌汁人気が爆発しまして。それ以降関東は味噌汁、関西は赤だしになりました」
──ん? ということは、元は全国的に赤だしだったということですか?
スシロー広報都丸さん「関西の企業ということもあり、当時は全店赤だしでした」
という貴重な情報が記されていた。
このほか味噌ラーメンとして赤みそ、白みそが使われているようだが、詳しい調理法は分からない。
放送では『メイラード反応』が取り上げられていたが、これについては、
●2022年12月13日チコちゃんに叱られる!「メイラード反応」と発癌性
で考察したことがあった。
本題から外れるが、調味料の話題が取り上げられていたので、これを機会に他の調味料についてのトリビアをまとめておく。
- 薄口しょうゆと濃口しょうゆの違い
Copilotに尋ねたところ以下のような回答をいただいた。
薄口しょうゆ(うすくち)と濃口しょうゆ(こいくち)の違いは、主に色・味・用途にあります。
- **色**
- 薄口しょうゆは色が薄く、淡い琥珀色をしている。
- 濃口しょうゆはより深い茶色で、料理に濃い色をつける。
- **味**
- 薄口しょうゆは塩分が高めで、すっきりした味わい。関西地方でよく使われる。
- 濃口しょうゆは旨味が強く、まろやか。関東地方で広く使われる。
- **用途**
- **薄口しょうゆ** → 料理の色を活かしたい時(だし、煮物、京料理)
- **濃口しょうゆ** → しっかりした風味を出したい時(焼き物、刺身、炒め物)
特に和食の出汁との相性が決め手になりますね。薄口は素材の色や風味を引き立てるのに適し、濃口は深いコクを生み出します。関西系の料理と関東系の料理の違いにも関係していて、面白いですよね!
料理によって使い分けて、味の違いを楽しむのが醍醐味ですね。好きな料理で試してみるなら、どんな料理を考えていますか?
また濃度基準については以下の回答をいただいた。
薄口しょうゆと濃口しょうゆの塩分濃度には明確な違いがあります。一般的に、**薄口しょうゆの塩分濃度は約18〜19%**で、**濃口しょうゆは約16%**とされています。
これは、薄口しょうゆが発酵を抑えるために塩分を多めに加えているためです。その結果、見た目は薄いですが、実際には濃口しょうゆよりも塩分が高くなっています。
この違いが料理の仕上がりに影響を与えるので、用途に応じて使い分けるのがポイントですね。例えば、素材の色を活かしたい料理には薄口しょうゆ、コクを出したい料理には濃口しょうゆが向いています。
どんな料理に使おうと考えていますか?
- 「ウスターソース」「中濃ソース」「とんかつソース」の違い
こちらによれば以下の通り。
- 「ウスターソース」:野菜や果実の繊維質が少なく、サラリとした口当たりとほどよい辛さが特徴のソースです。揚げ物をさっぱりいただけるのはもちろん、炒め物等の調理や料理の隠し味としてお使いいただけます。
- 「中濃ソース」:ウスターととんかつの中間にあたるソースです。ほどよい口当たりが特徴です。揚げ物のほか、料理の隠し味としてお使いいただけます。
- 「とんかつソース」:果実を多く使用しており、繊維質も多く含まれ、トロリとした甘くソフトな口当たりのソースです。とんかつ等の揚げ物のほか、お好み焼きやハンバーグ等幅広いメニューにお使いいただけます。
また塩分濃度の基準についてCopilotから得た情報は以下の通り。
ソースの塩分濃度には明確な基準はありませんが、一般的な市販品の塩分量を比較すると、以下のような傾向があります:
- - **ウスターソース**: 約8.4g(100gあたり)
- - **中濃ソース**: 約5.8g(100gあたり)
- - **とんかつソース**: 約5.6g(100gあたり)
しょうゆ(約14.5g/100g)と比べると、ソースの塩分は比較的控えめです。特にとんかつソースは甘みが強く、塩分が少なめなのが特徴ですね。
塩分を気にされる場合は、減塩タイプのソースも選択肢になります。普段の料理で塩分を調整する際、どのような工夫をされていますか?
マヨネーズの定義
→2024年11月4日の日記参照。
トマトケチャップと健康
→2023年3月26日の日記参照。
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